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「モンスターマザー」福田ますみ(新潮社) [本]

2005年に起きた長野県の丸子実業高校で1人の生徒が自殺した。
その原因が部活で起きたいじめだったのに、それを放置したという理由で遺族が校長を殺人罪で刑事と民事両方で訴えた丸子実業高校いじめ事件。
ニュース番組などでもセンセーショナルに報道されていたそうなのですが、恥ずかしながら全く記憶にありませんでした。
(当時、わたしは朝8時に家を出て、帰ってくるのは24時という長時間労働の日々だったので、2000年代前半の時事ニュースはほぼ記憶にありません・・・)

その事件をきめやかに取材したノンフィクションです。

モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い

モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い

  • 作者: 福田 ますみ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/02/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)








教育現場の「恐るべき現実」に迫る瞠目のルポルタージュ。不登校の高一男子が自殺した。久々の登校を前に―。かねてから学校の責任を追及していた母親は、校長を「殺人罪」で告訴する。常識をはるかに超えた執拗な追及に崩壊寸前まで追い込まれた教師たちは、真実を求め、“モンスター”との対決を決意した。はたして加害者は誰だったのか。(「Bookデータベース」より)

いじめが起きると学校や教育委員会はそれを隠蔽する、そんな過去の事件からなんとなくテレビの視聴者はそう感じているはず。それを逆手にとって、ここに登場するモンスタマザー高山さおりはいじめによって息子は自殺したとマスコミに訴え、その報道を見た人権派として有名な高見澤弁護士が彼女にコンタクトをとり、ふたりは学校ではなく当時の校長に対して殺人罪の裁判を起こします。

いや、これで殺人って・・・あまりにも無理筋。高名な弁護士がこんないいがかりみたいな裁判の弁護を行うってどうなんだろうか。モンスタマザーの行動も唖然とするものではありますが、なにしろわたしが一番驚いたのがこの弁護士の一連の行動でしたね。しかも裁判の過程で弁護士はほぼ事実確認や調査を行わず原告である母親の証言のみで弁護を行っているのですよ。それまでいろいろな活動をされているのだろうに、こんなずさんなことしてすべてのキャリアが台無しだし、これまでの実績もなんか大丈夫なの・・・?と疑問を抱いてしまうというか。
結局高見澤弁護士は日弁連からも戒告処分を受け、校長からも名誉毀損で訴えられ敗訴しています。

高校側は自殺した生徒が母親からの精神的虐待を受けているという認識を持ち、児童相談所に働きかけて母子分離を図ろうとしていた矢先のこと。ネグレクトされているということで、近所では有名な子どもだったそうです。
それでもやっぱり親は親、ということでいやだと思いつつも母親の支配下から物理的に離れる事ができず、結局死を選んでしまった、というのが真相のようです。

モンスターペアレンツからの理不尽な要求に屈しない、という教育者としての学校の立ち位置には勇気付けられる結果でしたが、やっぱり亡くなった高校生の人生を思うとやりきれないですね。。。

著者の福田さんは「でっちあげ」というやはり同じく高校を舞台にいじめ事件を保護者がでっちあげて裁判を起こした事件のルポを書かれています。こういう人たちと遭遇してしまったときにとるべき行動って?と考えずにはいられません。

でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相 (新潮文庫)

でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相 (新潮文庫)

  • 作者: 福田 ますみ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/12/24
  • メディア: 文庫


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