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「ドアの向こうのカルト」佐藤典雅(河出書房新社) [本]

GW明けの1週間も怒涛のように過ぎ去りました。

友達と買い物がてら番号はん食べられたのが唯一の息抜きだったわぁ〜。


ドアの向こうのカルト ---9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録

ドアの向こうのカルト ---9歳から35歳まで過ごしたエホバの証人の記録

  • 作者: 佐藤 典雅
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2013/01/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
とあるブログでレビューされていたので図書館で借りてみました。ちなみに今年に入ってから文庫にもなっているようです。
副題のとおり、9歳から35歳までエホバの証人の信者として過ごした著者が、どういう経緯で信者になり、どういう経緯で決別し、そして家族も含めて教団の洗脳を解いていったのか、という内容です。
洗脳が解けてからのパートの内容がちょっと筆が乱れているというか、ちょっと粗い気もしましたが、自分の意思ではなく親が入信してしまい、最初は意味もわからず信じていたというか強制的に参加されていたのが、徐々に洗脳されていき、教団の教義およびルールに従う人生を送るようになるプロセスが詳細に記されています。
当事者は自分たちがカルトだとは夢にも思っていないこと。
基本的に思考停止。いいことはエホバ(キリスト)のおかげ、悪いことすべてはサタンの仕業だと結論つける。
エホバの証人というと昔はよく小さい子供を連れた女性たちがピンポーンと家にやって来てましたよね。
15年ほど前、前のアパートに住んでいた時は、平日に代休取って家にいるとときどき出くわすことがありました。今のマンションに引っ越してからはインタフォンが鳴ったこともないので、個別訪問はやめたのかもしれませんね。
しかし、今は毎日毎日、駅前に看板持って立っているのですよね。
そして不思議だったのは若い男性などもいること。彼ら会社員とかできないよね、といつも夫と話しているくらい気になるポイントだったのです。
著者によると、信者たちは全時間奉仕といって、フルタイムの仕事はせずに可能な限りの時間を聖書の普及のためにつかうことを推奨されるそうなのです。なので、布教活動がメインで仕事はアルバイトなどで糊口をしのぐしかない。そして信者以外の人=世の人はサタンの影響下にあるので、なるべく交わりを避ける必要があるので会社員なんかになって接点を持つのはよくない。なるほどーーー、謎が解けた!!
しかも、著者が子供の頃は近々にアルマゲドンが起こり世界は滅亡するので大学に行っても意味がない、ということで大学進学もタブーだったのだとか(今は教義が変更され大学進学は禁止されていないそうです)
著者の父は銀行員で海外駐在が長く、そうとう裕福そう。そしてそんな経済的には恵まれている母は息子に対して「銀行に行くな」「会社勤めなんてするな」「エホバに専念しろ」と圧力をかけてくる。そういう生活を送ると経済的にはものすごく困窮するのですよね。そういう矛盾も著者が教団に対し疑念を抱くタネとなったようです。
本人が信じているのはご自由に、ですが、子供を巻き込むことについてはやっぱりどうにかならないものかと考えさせられますね。。。
(別の宗教で似たような話をこの前身近でちらりと耳に挟んだので余計に・・・)
↓文庫です。
カルト脱出記: エホバの証人元信者が語る25年間の記録 (河出文庫)

カルト脱出記: エホバの証人元信者が語る25年間の記録 (河出文庫)

  • 作者: 佐藤 典雅
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/01/09
  • メディア: 文庫

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4月の読書メーター [本]

もう5月。4月はなんとか、本も読めました。でもこれくらいが精一杯かなぁ〜。



4月の読書メーター読んだ本の数:4読んだページ数:1381ナイス数:54みかづきみかづき感想昭和から平成にかけての学校教育に挑み続けた一家の物語。読了日:04月01日 著者:森 絵都
犯罪小説集犯罪小説集感想犯罪を犯してしまう人と、踏みとどまる人の違いはどこにあるのか。そして、「犯人に違いない」と思い定めた人物を追い詰める普通の人々の残酷なまでの集団心理が空恐ろしい作品でした。読了日:04月15日 著者:吉田 修一
眩感想以前、小布施の北斎館で北斎の人生を驚きを持って知ったのだけど、その晩年の画策を支えた娘のお栄(葛飾応為)、その人生を描いた作品。描かずにはいられない、創作者の業。読了日:04月16日 著者:朝井 まかて
朝からスキャンダル朝からスキャンダル感想相変わらずの鋭いツッコミ。ゆるそうで、全然ゆるくないサカイ節を堪能しました。読了日:04月29日 著者:酒井 順子
読書メーター

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「眩」朝井まかて(新潮社) [本]


今年に入ったくらいから、12時過ぎると眠くてたまらず・・・お風呂の中で必ずうたたねしてしまいます(笑)
もうトシですかね〜〜。

 

眩








「眩」とかいて「くらら」
葛飾北斎の娘で、画家である葛飾応為が主人公です。
あまり残っている作品は多くないそうなのですが、この小説の表紙に使われている「吉原格子先之図」が代表作。江戸時代の日本画とは思えない、奥行きや陰影のつけ方が、斬新です。

この小説の中で応為は「色彩」にこだわり続けたという設定になっています。
タイトルの「眩」という感じも時々でてきます。光の洪水に、くらくらするとか。

ヨーロッパでも印象派以前は、画家は注文主の注文に応えて絵を描いていたと言われますが、江戸時代も同じ。
芸術家というよりも職人ではありますが、それでも北斎も応為も絵を描く、何かを表現するという道を追い求めています。以前、小布施の北斎館に行って、北斎の人生やその偉大さを改めて知ったのですが、晩年の北斎の画業は応為と二人三脚だったのですね。

すみだ北斎美術館、行きたいな〜。なんと!晩年の北斎と応為が暮らした部屋が再現されているそうです。まだ混んでるのかしら。気になります。






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「犯罪小説集」吉田修一(角川書店) [本]

さすがに東京の桜も終わりですね。3月の下旬に開花してから長かった。こんなに桜が開花してから散るまでの期間が長い春って初めてかもしれませんね。

犯罪小説集

犯罪小説集


犯罪がテーマの短編集です。5つ収録されています。
実際の犯罪をモチーフにしたものもあり、このあたりは吉田修一のひとつのお家芸でさすがです。
「百家楽餓鬼(ばからがき)」は数年前の大王製紙御曹司がカジノで使った多額の資金を子会社のお金で賄っていた事件がモチーフで、まったくそのままというわけではないですが(そもそも、そこまで事件について細かいディテールは知らないし)現実世界と、物語世界がどことなくシンクロしていく不思議な感覚を味わえます。

犯罪を犯した側からの視点で書かれているのは上記の「百家楽餓鬼」のみで、残りの4編は、本人以外の視点で描かれていて、ささいなボタンのかけ違いで道を踏み外していく様や、集団のなかからはみ出す者に対する不寛容さがある瞬間爆発して、ふつうの人たちが一団となって誰かを追い詰め、追い詰められた者が牙をむき、犯罪を犯してしまうという不条理さが恐ろしいです。

不条理なまでにはみ出し者を追い詰めたマジョリティーの側は犯罪ではないのか、と考えさせられます。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 井川 意高
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/02/01
  • メディア: 文庫


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「みかづき」森絵都(集英社) [本]

今日はまた肌寒かったですね〜。春なんんだか冬なんだか・・・。でもさすがに東京の桜もそろそろ終わりですね。

みかづき

みかづき


そして今日発表された本屋大賞。第2位でしたね〜。ちょうど先月末読んでいたのでご紹介。
昭和30年代。小学校の用務員だった吾郎は学校の授業から落ちこぼれている生徒たちを用務員室に集めて補習のようなことをやっていました。そこに現れた千明。公教育に憤っている千明は当時世に生まれつつあった学習塾を開きたい、ついてはあなたを講師として迎えたい、と吾郎を半ば強引に塾経営に引きこみます。

数年後、二人は結婚。千明の娘蕗子と、吾郎と千秋の間に生まれた蘭と奈々美。この家族と、塾を中心に戦後の教育にまつわる長い物語が語られます。

補習塾か、進学塾か。拡大か現状維持か。塾が鬼っ子扱いされていた時代から、受験戦争という言葉が生まれて塾が身近な存在になり、そして現在の子どもの貧困による学力格差の問題。

そして夫婦だから、血の繋がった親子だから、自然と分かり合えるわけではないというやるせなさも満載。

教育を切り口にした家族の物語って珍しいよね、と思いながら読みました。
吾郎の子どもたちに向ける優しい視線がしみじみとします。逆に、自分の信念にのっとって常にフルスロットル、ブルドーザーのように道を切り開いていく千明の言い分もわからなくはないし・・・。こういう人が母親だったら、娘たちは人生しんどいよね・・・。

森さんの新しい代表作です。
おすすめ。




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「皿洗いするの、どっち?」山内マリコ(マガジンハウス) [本]

今日はお天気もいいし、長瀞の宝登山に梅見を兼ねてハイキング・・・のつもりだったのに、夫起きられず、わたしはひたすら録画したテレビを見ております。あ、朝からジョギングはしました〜。ほぼ1年ぶり(笑)

皿洗いするの、どっち? 目指せ、家庭内男女平等!

皿洗いするの、どっち? 目指せ、家庭内男女平等!








昨夜、代官山の蔦屋書店にぶらりと行って目についたので読んでみました。
明日が発売日で、Amazonではまだ予約受付中ですね。蔦屋には山積みされてたけど。

今やすっかり人気作家のおひとりの山内マリコさんが、同棲相手(のちに結婚)との生活のなかで、家事および生活上発生する雑事をどう分担していくかの戦いの記録です。
面白いのは章ごとに夫さんからの反論コーナーがあるところ。
お互い言い分あるよね〜。

どれもあるあるな話で、「そうようね」って思うんですが、山内さんはまだ30代前半。わたしたち世代より、より男女平等についての意識もあるだろうし、意気軒昂な感じになっちゃうのかな。
男と暮らすと家事は2倍じゃなくて3倍になるっていうのは確かに共感するわー。
実は今週は4日間夫が出張でいなかったので、それ激しく同意です(笑)



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「スティグマータ」近藤史恵(新潮社) [本]

今日から新しい職場での仕事が始まり、ちょっとお疲れ気味・・・。
とはいえ、身内の会社なので気楽っちゃ気楽ですけどね。
しばらくは今までの職場とのダブルワーク?なので気分を切り替えないといけないのがちょっと疲れますね。


スティグマータ

スティグマータ



「サクリファイス」シリーズの最新刊。ずいぶん間が空いてしまったので、これまでのエピソード忘れちゃった(笑)

ヨーロッパのプロチームでロードレースに出場する白石誓、通称チカももうヨーロッパでのプロレーサーとして5年あまりを過ごしている。そんなチカがまたもやツールドフランスのレース中にやっかいなトラブルに巻き込まれ・・・というお約束のストーリー。

でも、この「スティグマータ」では最後の方、チカのレースでの感動のシーンがあり、ほろりとしてしまいました。よくがんばったね、チカ〜〜〜。

夫に付き合って毎年ツールドフランスのダイジェストをBSで観ているので、だいたいのルールはわかってきましたが、今回、この小説を読んで、さらになるほど〜と思ったこともあり、今年のツールが楽しみになってきました。
この自転車レースのアシストという役割、日本人の気質にぴったりな気がするわー。
ガツガツと優勝を狙うよりも、エースのためにひたすら走るという姿が物語になるものね。

まだまだ続きそうなこのシリーズ。チカにはもうひと頑張りしてほしいものです。


サクリファイス (新潮文庫)

サクリファイス (新潮文庫)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/01/28
  • メディア: 文庫
    エデン (新潮文庫)

    エデン (新潮文庫)

    • 作者: 近藤 史恵
    • 出版社/メーカー: 新潮社
    • 発売日: 2012/12/24
    • メディア: 文庫




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1月の読書メーター [本]

2月に入りました!
来週から新しい仕事が始まるのでまた忙しくなりそう。今日とあさっての貴重なお休みはだらだらと過ごしています(笑)
いや、ほんとは確定申告の準備しないといけないんですけどね・・・。

さて1月の読書メーター。1月はお正月休みもあり、仕事も少なく、かつ夫が休日も仕事ばかりだったので、結構読書が進みました〜。
9冊も読んだのは久しぶりかも。

2017年1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2605ページ
ナイス数:50ナイス

聖の青春 (角川文庫)聖の青春 (角川文庫)感想
この作品が世に出た頃から読んでみたいと思いつつ、読めずにいたのだけど、ようやく年末年始に読みました。命をかけて将棋に取り組んだ村山聖というひとりの人間の生き様に、涙涙。彼を支えていた家族やまわりのひとたちは大変だっただろうなと思うのだけど、家族や師匠、友人たち、みんなに愛されていたのだろうなぁ・・・。
読了日:1月2日 著者:大崎善生
([お]3-1)優しい子よ (ポプラ文庫)([お]3-1)優しい子よ (ポプラ文庫)感想
小児癌とたたかう少年の優しさ、強さに強い影響を受けていく夫婦の物語。いちおう、私小説なのでしょうが、限りなくノンフィクションのような読後感。繰り返し読みたい1冊となりました。
読了日:1月5日 著者:大崎善生
紫式部の欲望 (集英社文庫)紫式部の欲望 (集英社文庫)感想
源氏物語を作者紫式部の欲望、という視点から読み解いたエッセイ。確かに千年前に紫式部という生真面目で不器用なひとりの女性がいたんだよなぁと妙に納得させられました。酒井さん、さすが原文で読み通しだだけあるなぁという深い読みにこれまた納得。
読了日:1月5日 著者:酒井順子
女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)感想
久しぶりの村上春樹。実は短編が著者の真骨頂なのではないかと、短編集を読むたびに思います。しかし2月には長編新作が発売。やっぱり読んじゃうんだろうな〜、自分。
読了日:1月7日 著者:村上春樹
芸能人寛容論: テレビの中のわだかまり芸能人寛容論: テレビの中のわだかまり感想
1/3くらいはcakesで読んでいたけど、それでも結構ぷぷっと笑いながら読んでしまった。
読了日:1月9日 著者:武田砂鉄
ダーリンは70歳・高須帝国の逆襲 (コミックス単行本)ダーリンは70歳・高須帝国の逆襲 (コミックス単行本)感想
発売直後に販売中止となってしまった話題作。kindleで販売再開していたので、読んでみました。逆襲・・・というか、高須院長からサイバラへの公開ラブレターですよね、これ。ダーリンは71歳も楽しみです。
読了日:1月10日 著者:西原理恵子,高須克弥
記憶の渚にて記憶の渚にて感想
相変わらずの白石節全開。さすがにそれは強引すぎ??なんて思う展開もあるわけですが、そこをぐいぐいと押し切って、人間のあり方や、人と人のつながり、人知を超えた見えない力、などなどがからみあう複雑な物語。
読了日:1月13日 著者:白石一文
サイコパス (文春新書)サイコパス (文春新書)感想
なるほどね〜。スーパーポジティブで時に理解不能な唯我独尊な行動をとるような人もサイコパスなのか。ほんとに脳科学の発達はすごいなぁと思うわ。
読了日:1月15日 著者:中野信子
最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常感想
日本のトップレベルのアーティストが集まる場所。確かにカオスだろうけども、彼らの熱い思いが伝わってきました。
読了日:1月28日 著者:二宮敦人

読書メーター
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「最後の秘境 東京藝大」二宮敦人(新潮社) [本]

寒かったり暖かかったり・・・。調子がなんだか出ませんね。


最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常

最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常








去年のベストセラーです。
小説家(ライトノベルの作家さんの様子。まったくわからない分野なので「へー」ってかんじ)の著者は、妻が現役の藝大生で、彫刻を専攻しており、その妻の様子から藝大という未知の世界への関心をいただくことになり2年ほどかけて現役の学生や卒業生にインタビューを行いまとめたもの。

美術と音楽の両方を擁する特殊性、そして何より国立であり長い歴史をもつ東京藝大。芸術には縁がなくとも、藝大卒というキャリアを見聞きすると無条件に「へー、すごいね!!」って思ってしまいますよね。
わたしが愛するSuicaペンギンの生みの親、さかざきちはるさんも東京藝大のご出身です。

書評などでは破天荒ですごいみたいな書かれ方してましたが、最初から最後まで読んでみると、芸術を志す人たちだもの、これくらい当たり前なのでは?という気もしました。
なんか、読んでるうちに、わたしも音楽習ってみたくなったなー。
幼稚園のときにオルガン教室で挫折して以来、いつか弾いてみたいピアノ、とかね。

芸術で生きていくのはほんとに大変。
中学校の時の音楽の先生のことを思い出しました。彼女はわたしが中1か中2のときに新卒で赴任してきて、わたしが所属していたブラスバンド部の顧問になってくれたんだけど、先生は声楽の人で、合唱部がなかったこと、専門外のブラスバンド部を指導しなくてはいけなかったこと、そしてなによりブラスバンド部のレベルが低かったこと(そりゃ当然で、それまでもちゃんとした指導をしてくれる先生はおらず、素人の中学生たちが見よう見まねで音をだしていただけだったのですから)がたいそう不満だったようで、ある日、部活の最中にキレてしまい・・・。
今でも覚えている先生の発言が、
「私はまだ歌の道を諦めたわけじゃないのよっ」
というもの。今では先生の名前もその発言に至った経緯も忘れてしまったけど、妙にこの発言は覚えているのです。
かなりヒネたコドモだったわたしは「いやいや、それ先生の問題であって、今わたしたちにそれ言われても」って呆れていたんですけどね。
大学卒業したての22歳、まだまだ夢と現実のあいだで割り切れない気持ちを抱えていたんだろうなと、そのときの先生の倍の年齢となった今のわたしなら思いやることができるけども。

芸術の道は大変ですが、広義のアートなしに生きられないのも人間なのであって・・・。なかなか難しいですね。


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「記憶の渚にて」白石一文(角川書店) [本]

ふー、今日も1日寒いですね。でも一歩も外に出ていないので、この記事を書き終えたら買い物にいってこようと思います。

記憶の渚にて

記憶の渚にて

白石一文の新刊・・・といっても去年の6月ですね。図書館の順番がようやくまわってきました。
相変わらずの白石節炸裂・・・といってもいつもほどではなかったかしら。
ミステリー的な展開で、結構楽しめました。

国際的に著名な作家だった兄が謎の死を遂げた。古賀純一は兄の遺品の中から謎の遺書と『ターナーの心』と題された随筆を発見する。我が家の歴史を綴ったその文章は、記憶とは大きく食い違うデタラメばかり。偽装された文章は兄の死となにか繋がりがあるのか?兄の死の真相に迫る古賀を待つ、謎、謎、謎―。日本からイギリスへ。海を跨ぎ、一五〇年の時を越える一族の歴史。そのすべてが一つの像を結ぶとき、予想だにしない圧巻のラストが立ち現れる!この不確かな世界を生き抜く力となる、最新傑作長篇。(「Bookデータベース」より)

3部構成なのですが、1部で主人公なんだと思っていた古賀純一があっけなく殺されてしまい、「え???」な展開に。
とある新興宗教の教団と古賀兄弟の「記憶」がリンクしていき、古賀兄(有名小説家、自殺)の義理の甥で長じて同じく小説家となった白崎東也が謎解きをしていく・・・という展開なのですが、ミステリーちっくではありますが、なにせ白石さんですから、やっぱりミステリーではないのですよ。
え?そんなオチ??みたいなラストシーンだし。

なんといってもタイトルである「記憶の渚」がキーなんでしょうね。結局、現実で起きた事柄は、1秒でも経過するとそれはその場にいた一人ひとりの「記憶」となり、少しずつ食い違っていきますよね。
そしてそれが、受け継がれていく。
実は、遺伝子を受け継ぐというよりも、記憶を受け継いでいくことがヒトという種にとっては重要なことなのではないかというようなことなのかなぁ。

キーパーソンである古賀兄(ペンネーム:手塚迅)の残したメッセージを、血の繋がった弟ではなく、元妻の甥という血縁のない白崎が紐解いていくという展開もそこにリンクしているのでしょうね。

Amazonのレビューは両極端で、星5つが5人、星1つが4人。票が割れてますね。まぁそうだろうなぁ。これがまた新聞小説だったというのも驚きですよ。こんなマニアックな作品がねぇ。。。

読んでいて特段楽しくもないのに、新刊が出たら必ず読んでしまう白石作品。
やっぱり不思議な魅力があるってことなんでしょうね。

↓ヒトの記憶についての本。これ、テーマがリンクしてそうなので読んでみたいです。

脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議

脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議

  • 作者: ジュリア・ショウ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/12/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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