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ごあいさつ [ごあいさつ]

こんにちは。すっかりご無沙汰してしまいました。前回のエントリーから2ヶ月。ほんとうにいろんなことがありました。

本日は悲しいご報告です。
たくさんのお祝いコメントをいただいた息子ですが、3月3日の未明に遠いところに旅立ちました。
あっという間に四十九日も終わり、月日の流れに呆然と立ち尽くしています。

毎日が辛くて辛くて息子のことを思って泣き暮らす日々です。どうしてうちの息子が、という疑問は永遠に消えません。それでも事実は事実として受け止めて、残された私たち夫婦はいつの日か前を向いて歩き出さなければいけないと思えるようになってきました。それが、35日間の命を全うした息子へのせめてもの供養です。

とはいえ、まだまだしばらくはこの底なし沼のような悲しみから抜け出すことはできそうにありません。

あまりに辛くて、この「やさぐれ日記」もフェードアウトになってしまいそうだなぁと思いましたが、楽しい時も辛い時もずっと書き続けてきた、ある意味私の30代の記録ですから、自分自身へのけじめとしても更新ができない理由をご報告することにしました。こういう記事を読むことになってしまったみなさま、ごめんなさい。

「やさぐれ日記」を通じてネット上ですが仲良くさせていただいた皆さま、そして直接のやりとりはなくてもお立ち寄りいただいていた皆さま。
いつか穏やかな気持を取り戻すことができたら、ここも再開することができるかもしれません。
ただそれがいつになるかはわからないので、ひとまずこれまでのお礼をお伝えしたく。
(あ、意外と早く再開したとしても笑わないでくださいね)

ありがとうございました。

カオリ



2月20日のエントリーでご報告した通り、息子は先天性心疾患を持って生まれてきました。妊婦検診では発見されず(のちに転院先で「胎児エコーの専門家でない普通の産婦人科医ではわからなくて当然」と言われました)、出産してから様子がおかしいということで大学病院のNICUに転院、CTなどでの検査の結果、2つの奇形がみつかりました。心臓そのものというよりは心臓からでている大動脈・大静脈に問題があったそうです。ひとつは年間15人(1年間に生まれる赤ちゃんはざっくり100万人です)くらい、もうひとつは1万人にひとり(年間100人ってことですね)くらいの確率で発生するということでした。染色体異常もなく、遺伝も関係ないそうで発生のメカニズムはわかりません。つまり結局、たまたまそういう運命を引き当ててしまった、ということです。

また、陣痛が長引き、途中で何度か息子の心拍が落ちる=息子が苦しい状態、があり、その際に苦しくておもらししちゃった胎便(by助産師さん。通常赤ちゃんはお腹のなかでおしっこはしますがうんちはしません)を苦しくて息をした拍子に肺に吸い込んでしまい(ふつう、お腹のなかでは赤ちゃんは息をしないので、すごく苦しくて思わず息を吸い込んでしまったんだと思います)、それがべっとりとくっついて肺がうまく機能していないという状態でした。ちなみにこれだけでもかなり重篤でNICUに入院して治療を受けなければならない症状です。

肺の状態がよくなるのを待って生後10日目に最初の手術を受けました。これは1万人に1人の方を治療するためです。1日がかりの難しい手術でしたが、無事成功。この手術とその後の24時間を乗り越えられれば大丈夫、と執刀医から言われていたので手術室から戻ってきた息子に対面できたとき、そして手術終了から24時間が経っときの安堵は忘れられません。生まれた時から「頭が大きい赤ちゃん」と言われてましたが、手術室から戻ってきたらふたまわりくらい顔が小さくなっていて驚きました。そして全身もほっそり、肌色も黄色味がかっていたのが真っ白に。息子は不完全な心臓のせいでからだの機能に負担がかかりずいぶんむくんで肌色も悪かったようなのです。

それからは脅威の回復力を見せてくれた息子。予定よりずっと早く1週間でICUを卒業しNICUへ。生まれた日の夜からずっと薬を使って鎮静をかけてあったので、薬がなかなか抜けずに薬を止めても数日目を覚まさなかったり、目を覚ました後も自発呼吸がなかなかうまくいかなくて人工呼吸器を外したり、つけ直したりということもありましたが、術後の回復自体は至って順調でした。ミルクも鼻からのチューブでしたが順調に消化していたし、おしっこもうんちも快調。通常、こういう手術をすると腎臓がうまく働かず老廃物が排出されないので、おなかの中に管を通して透析を行う(腹膜透析)そうなのですが、息子はそれも行わず「非常に珍しいケースです」と主治医から褒められたり。手術の時も骨がすごく太くて丈夫だったそうで、数々の小児心臓手術を執刀してこられたお医者様から褒められたり。私は出産直前までつわりがひどく、赤ちゃんのための栄養バランスを考えた食事をきちんととることができなかったのが気がかりだったので、これを聞いてほっとしたことを覚えています。

息子はほんとにほんとに小さいからだで、ものすごく頑張りました。

2月の最終週には人工呼吸器も完全に外れ、点滴での薬の投与も終わり、息子はとうとう自由の身に。それまで数えきれないほどの医療機器に囲まれて、医療用のベッドに寝かされていたのが新生児用のふつうのベッドになり、機器も撤去され、母乳(幸いにも私は母乳がたくさん出たので、鼻から注入していたときもほぼ母乳でした)を哺乳瓶で飲めるようになりました。たくさんの管に阻まれて自由に抱っこなんてできなかったのが、好きな時に好きなだけ抱き上げられるようにもなりました。

そしてとうとう、主治医から退院の時期についての話が出ました。このまま順調なら3月第2週にうちの近所の病院のNICUに転院して、1〜2週間リハビリをして退院しましょう、という計画。2つの病院は同じ大学の付属病院ですが、入院していたのは小児心疾患の専門チームがある、うちから1時間ほどかかる病院だったのです。つまり、心臓の方はほぼ問題ないところまで回復したので、あとは退院後のケアを私たちが学びながら準備をするのみ、という状況。入院した当初は桜が咲く頃に退院できればいいねぇと夫婦で話していたのに、なんと3月のなかばにはうちに連れて帰ることができるなんて!
退院後は月に2回の通院をして経過観察しながら1〜2年後の2つめの疾患を治す手術に備えるということになっていて、自宅では薬を飲まなければいけないけどあとは普通に生活できるということでした。

そんな順調な回復を見せていた息子の容態がなぜ急変したのか、実は原因はわからないのです。私が息子を寝かしつけて病院を後にしたのが夕方5時半。その後も息子はいたって普通に元気に過ごしていたそうです。しかし日付が変わってしばらくして容態が急変。あっという間の出来事だったそうで、治療にあたってくれた当直の医師も「なぜ息子さんが、という思いが消えません」とおっしゃっていました。
そしてあわててかけつけたわたしの腕の中で息子は旅立ちました。

あの日から時間は止まっています。

最後に見た元気な姿。夕闇の中、「明日も面会楽しみだな〜。土曜日だから夫と3人の写真が撮れるな」なんてふわふわした幸せな気持で病院から駅までのゆるやかな坂道を歩いたことを昨日のことのように思い出します。その輝いてた「明日」は決して私たちには訪れなかったのですが・・・。
でもそれって何か大それた願いだったのかな。ただ私たちは小さな命を育てて、普通に親子3人仲良く暮らしたいと願っただけだったのに。

今の私の目標は、息子の記憶を忘れてしまわないうちに克明に残しておくことです。
息子がおなかのなかにやってきてくれたところからの記録を残したフォトブックを私たち2人だけのために作成すること。もうひとつ、いつになるかはわかりませんが。1ヶ月一生懸命頑張った命が存在したということを世の中に残しておきたいので新しいブログを始めるつもりです。本当であれば、息子がこれからの長い人生で出会ったであろうたくさんの人たち。その出会いのかわりです。とっても愛らしかったがんばり屋の息子のことを知って欲しい、そんな母親のエゴかもしれません・・・。

ひとが生まれて大人になるって奇跡なんだとつくづく思いました。ほんとにこればかりは頭で理解していてもわからないことかもしれないな、と3ヶ月前の自分を思い出しても感じます。

ちいさなお子さんのいる皆さま、どうかそのいのちをせいいっぱい慈しんであげてください。とおくに旅立った息子の分まで元気に育ててあげてください。お願いします。

IMG_0385.PNG
遠くに旅立つ数時間前の息子です。ほんとうに、ほんとうに可愛い子でした。

うちの子になってくれてありがとう。またきっと、どこかで会おうね。



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コメント 13

ken

凛々しい顔立ちの男の子ですね。
目力が強くて、鼻筋も通ってて、きゅっと結んだ薄い唇が愛らしい。
いつかウチのムスメと会わせられる日が来るといいな、と勝手に妄想していただけに、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に残念。
小さな身体で辛い手術を頑張って耐えた息子さんにnice!
でも今は、僕も一緒に泣きます。

by ken (2012-04-24 19:49) 

ふくちゃん

カオリさん

澄んだ瞳の可愛い子供さんが先立たれ
悲しみは計り知れないとお察しします。
正直、言葉が見つかりません。
子供を待ち望まれてやってきた天使ちゃん。
カオリさんと子供さんとお二人でお会いしたい
なあと思ってました。
きっといつか、子供さんともお会いできますよね?
頑張り屋さんの子供さんのお顔を
しっかりと私の記憶に刻みます。


by ふくちゃん (2012-04-25 07:41) 

カオリ

>kenさん
息子のために泣いてくださったなんて、ほんとうにありがとうございます。ワタシもkenさんの娘さんとうちの息子、一緒にお会いしたいなぁなんて思ってました。がんばり屋のかわいいこの子のこと、心の片隅で時々思い出していただけると嬉しいです。
nice!ありがとうございます。今度は息子は空の上でお勉強を頑張ってるにちがいありません。

>ふくちゃんさま
次の実家に帰る時は息子と一緒のはずでした。でも、姿は見えなくても息子はワタシといつも一緒です。
時々で結構ですから、頑張り屋さんの赤ちゃんがこの世に存在していたことを思い出していただけるとすごく嬉しいです。コメント、ありがとうございました。
by カオリ (2012-04-26 17:05) 

satoco

私自身もカオリさんファミリーの明日を信じ切っていた、その儚さに茫然としています。
こんなに沢山苦労をのりこえてきて、お子さんを大切に大切に慈しんでいた、どうしてよりによってそんなカオリさんにこんなことが起こるのか、なぜ、なぜ、という思いが消えません。

息子さん、とてもいいお顔ですね。賢くて、幸せそうです。愛されている赤ちゃんのお顔をしていますね。私にも忘れられないお顔になりました。

カオリさん、心行くまで泣いてください。親が我が子を慈しむのに何の遠慮もいりません。私も今から少し泣かせていただきます。
by satoco (2012-04-26 21:16) 

Sho

カオリさん

更新に気づかず、お訪ねするのが遅くなりました。

なんて賢そうな、そして親御さんを信頼しきった表情でしょう。
坊やちゃん、よく、本当によく頑張りましたね。
心から敬意を表します。
坊やちゃんのこと、忘れませんよ。しっかり覚えていますよ。
坊やちゃんのお母さんも御立派ですよ。今この時期に、これだけ克明に状況を記される事は、並大抵の精神力では不可能だと思います。
坊やちゃんへの思いの一心でお書きになったものと拝察しています。

カオリさん、私が申し上げるのもおこがましいですがどうぞどうぞ御無理をなさらないでくださいね。
そして、ご自身を責めるようなことはお考えにならないでくださいね。

一秒一秒が、ナイフで刺されるようにお辛いと思います。どれだけの心の痛みに堪えておられるかと思います。

いつかカオリさんが旅立たれたときには、大きくなった息子さんが「お母さん!」と、迎えてくださいますよ。
御家族に心より敬意を申し上げます。
by Sho (2012-04-28 19:40) 

kino

本当になんと申し上げていいのかわかりません。
便りのないのは良い便り、なんて思っていたのに・・・。
パソコンの画面を見ながら涙が止まりません。
そんな私を見て、PCを覗き込んだ主人も泣いてしまいました。
赤ちゃんが宿って育って生れて成長していく、
ということは奇跡なのかもしれません。

どんな慰めの言葉も役に立たないかもしれないけれど
苦しくて悲しいくてお辛いでしょうが、どうか、一日一日を乗り切ってください。

天国に旅立った坊やは、きっといつもいつも
カオリさんとご主人を見守ってくれていると思います。

小さな体で本当によくがんばったね。
by kino (2012-05-03 01:00) 

カオリ

>satocoさま
コメントありがとうございました。一緒に過ごした時間が短かったので、息子にわたしたちの気持が伝わっていたのかどうか今更不安になることもありますが、satocoさんに「幸せそうな顔」と言っていただけて少し救われました。
ありがとうございます。

>Shoさま
息子のことを忘れないでいてくださる方がここにもいてくれる、と思うとそれだけで感謝です。
ほんとに息子は頑張り屋さんでした。
いつかまた会える日を支えにわたしも日々を過ごして行きます。ありがとうございます。

>kinoさま
なかなかご報告できず・・・。息子のことを思って泣いてくださったkinoさんとご主人のお気持ち、ありがたく思います。なんとか一日一日を乗り切ってます。
by カオリ (2012-05-09 18:45) 

ゆみっぺ

カオリサン

更新がされていなかったのは
息子さんがお家に帰られて忙しい日々を送っているのかと思っていて
まさか息子さんが天国へ旅立っていたなんて・・・
カオリさんの書かれた記事を読み涙が止まりませんでした。
何とお声をかけて良いのか・・・

お写真の息子さんは、おめめぱっちりの可愛いお顔。
僕頑張ってるよ~とカオリさんに語りかけているようにも見えます。
そして、たくさんの困難を乗り越えてきたとは思えないくらい元気そうな表情。
小さな身体でたくさんたくさん頑張った息子さんの事、私も忘れません。

カオリさん・旦那さま、くれぐれもご無理をなさらず
お身体大事にしてください。
by ゆみっぺ (2012-05-09 20:03) 

カオリ

>ゆみっぺさま
ありがとうございます。ブログを通したお付き合いの皆さまがこうして息子のことを思って涙してくださること、ほんとにありがたく思ってます。

ゆみっぺさんとさるこちゃん、どうも行動範囲もかぶってるので、いつか息子と一緒にランチデートでも、なんて思っていたんです。そうやって考えていた未来がこの先、やってこないことが辛いです。

ほんとに直前まで元気いっぱいだったので今でも信じられなくなります。こういう写真見るとなおらさですね。


by カオリ (2012-05-10 20:03) 

★とろりん★

カオリさま

ずいぶんとご無沙汰してしまいました。
どんな事を書けば良いのか分からず、
もどかしい思いを抱えたまま、時間だけが過ぎてしまいました。

この「時間が過ぎていく」という事も、
実は本当に奇跡なことなのですよね。
カオリさまの記事を拝見するたびに噛み締めています。

澄みきった無垢な瞳の息子くん。
きっと忘れません。
この世では儚かったけれど、親子の絆はずっと永遠ですね。

季節の変わり目です。どうぞ体調にはお気をつけてお過ごしください。
by ★とろりん★ (2012-06-07 11:13) 

カオリ

>とろりんさま
ずっと前にコメントいただいていたのに、お礼が遅くなってごめんなさい。
あの日からもうすぐ半年が経とうとしています。ほんとうにあっという間で、そして時間の流れというのはありがたいもので、わたしもなんとか普通の生活を遅れるくらいには元気になりました。

とろりんさんの心の片隅に、息子のこと置いてやってくださいね。ありがとう。
by カオリ (2012-08-22 23:19) 

noel

この記事を見たのはずっと後になってからで、今更とも思い書けませんでしたが、ブログの再開の書き込み嬉しかったです。

最大に愛する対象が無くなったらと思うと想像が付きません。正直言えば、だから、何も書けなかったのです。
お腹の中で慈しんだ10ヶ月とご両親の元にやってきた35日間きっと言葉では表せないくらいの大きなものを与えてくれたのではないかなと思っています。

少し古い話ですが、キルトの友人の赤ちゃんも心臓に病気があり、亡くなりました。調子よければ一回自宅にって話も出た矢先。なんかあまりにも似ているので…。
友人はりょう君(赤ちゃんの名前)の事ずっと心の中にいつもいると話してくれました。病気のりょう君ためにみんなで作ったベビーキルト、凄く悩んだけど手元に置いて時々語りかけているそうです。

ゆっくり元気になってください。

私の一番の親友びーが一つ違いの妹を亡くした時、「普通になった」と思えるまで5年掛かったと話していました。
人それぞれ時薬の効き目は違うでしょうからカオリさんの時間を掛けてください。

カオリさんが発信すれば、読んでる私たちも嬉しいですから。
by noel (2012-09-01 09:11) 

カオリ

>noelさま
メッセージありがとうございます。
noelさんのお気持ちがたくさん詰まったメッセージ、すごく嬉しかったです。お友達のおはなしも「やっぱりそうなんだ」と胸にしみました。

時間が経つことも辛いのですが、それでもその流れて行く時間に助けられている部分も多々あって・・・。行ったり来たりしながらも少しずつ、元気になってきています。

これからもよろしくお願いします。
by カオリ (2012-09-02 15:57) 

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